Posts Tagged ‘愚痴’

どんな結果にも必ず原因があります。私たちの身の上に引き起こることも例外はありません。
では、不幸や災難といったこの世の地獄を引き起こすおそろしい原因となるのは、どんなことでしょうか?

仏教では、私たちのやる悪い行為である、と教えられます。
仏教では、私たちの犯すいろいろの罪悪をまとめて十悪と教えられています。

これまで、貪欲(欲の心)、瞋恚(怒りの心)について話をしてきました。

今回は、心で造る罪悪の3つ目、「愚痴」について解説しましょう。

限りない欲望が妨げられた時に出るのが瞋恚、怒りの心ですが、怒ってみてもとてもかなわぬ相手と知ると、ねたみそねみ、恨みの愚痴の心がわき上がってきます。

世間では、言ってもどうにもならぬことを言って嘆くことを「愚痴をこぼす」とか「愚痴る」と使っていますが、元は仏教の言葉です。

仏教で愚痴とはどんな意味でしょう。

「愚」は愚か。
「痴」は知恵が病だれの中に入っていますから、頭が入院しているということで、これも馬鹿ということです。

愚かで馬鹿な心とは、

「まいたタネは必ず生える。善いも悪いも、現れる結果の一切は、自分のまいたタネばかり」

という因果の道理が分からず、他人の幸せをねたんだり、そねんだりする心です。
大宇宙の真理の分からない、醜い心ですから、黒鬼に例えられます。

勝るをねたむ愚痴の心は、反対に、他人の不幸を見ると喜ぶヤツです。

毒舌家のA・ビアスは、「幸福とは、他人の不幸を見てよろこぶ快感」と『悪魔の辞典』に書いています。

電車に乗り込もうと一生懸命走ってきた人が、目の前でドアが閉まってぶつかったら、ククッとほくそえむ心はないでしょうか。

着飾った女性が車の泥はねで泣きだしそうなのを楽しんでいます。

火事場に向かう途中で鎮火したと聞くとガッカリする心はありませんか。

旅先の火事は大きいほど面白い。

不謹慎であってはならないと思う下から、対岸の火事を楽しむ心がムクムクと出てきます。

ねたみ、そねみのいやらしさは、見ただけでゾッとしますから、ヘビやサソリのような心だ、と親鸞聖人はおっしゃっています。

出世したとか結婚したとか新築など、他人の幸せはみんなしゃくのタネ。

失敗したとか離婚とか、他人の不幸を聞くと心の中はニヤリとする。

思っていることを洗いざらい、さらけ出したらどうでしょう。

「悪魔!」と叫んでみんな逃げ出すのではないでしょうか。

思っているだけなら相手にわからないから大丈夫だろう、と思うのは大間違いです。「思う」のも行為であり、この世の地獄を生み出すおそろしい種まきです。

よく自分の心を見つめ、深く反省することが大切です。

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