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仏教では、私たちの犯すいろいろの罪悪をまとめて、十悪を教えられています。

その十悪の最初にあげられる貪欲(とんよく)について、これまで解説をしてきました。

その欲が妨げられると、出てくるのが瞋恚(しんに)、怒りの心です。

「怒」という字は、心の上に奴と書きます。あの奴のせいで儲け損なった、この奴のせいで恥かかせられたと、怒りの炎が燃え上がり、真っ赤になるから、赤鬼にたとえられています。

私たちが、瞋恚の炎に燃え上がった時の心は、そのままが赤鬼であり、教養も学問も焼き払い、前後を見失い、怒りの衝動のままに動きます。

これで、一生をフイにするのです。一万円札を束にして、火の中へ投げ込むようなものです。
怒ることがいかに恐ろしいことであることは、次の事実でも分かります。

上野の動物園にいたカバが、妊娠して、園内の人々は、その安産を祈っていたが、やがて生まれてきた子は死んでいたので、失望した。
その原因を調べたところ妊娠中に、他の部屋へ移した折、どう思ったか、カバは大変、怒ったそうである。それが、胎児を死に至らしめた原因だということが、判然としたのである。
カバも、馬鹿なことをしたものだ、と新聞記事に載ったことがあった。

新聞に、よく、街道で喧嘩口論を始め、なぐり合おうとした時にパッタリ仆れて死んだ、という記事がのっているが、瞋恚は、私たちの生命を縮める恐ろしいものである。

瞋恚は、自分より目上の人に対しては恨みとなり、目下の者に向かっては、憤怒となります。
カッと怒った炎は、他を焼き、自らをも焼きつくすのです。
親でも兄弟でも、妻子朋友でも、殺して平気な、恐ろしい心、これが瞋恚です。

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