この世の自業苦と、死んでからの地獄とがある、と書いてきました。
同じように、この世のゴクラクと、死んでからの極楽があると
仏教では教えられています。
現在の延長が未来ですから、現在の自業苦が救われなければ、
未来の地獄は助かりません。
眼前の小川さえ渡れないのに、どうしてその先の大きな川が渡れるでしょう。
身近な例えでいえば、
「一万円のダイヤの指輪は買えないけど、百万円のなら買えるわ」
こんなおかしな人は、ありえないですよね。
百万円の物が買える財力があれば、一万円の買い物は余裕でできるはずです。
同様に、死後の大変な苦悩を救う力のある仏さまならば、この世せいぜい百年の
苦しみを、助けられないはずがありません。
だから、
「この世はどうにもなれない、死んだらお助け」
などと言っているのはおかしいのです。
この世どうにもなれない人が、死んでどうなれましょうか。
「現在は自業苦だが、死後は極楽へ往ける」ことは絶対にない。
今の苦しみが救われ、業苦が楽に転じて「業苦楽」に生かされた人だけが、
死ねば必ず「極楽」へ往けるのです。
生きている平生に救われる「平生業成」の教えこそが、真実の仏法の真骨頂
になっているのも、お分かりでしょう。